はいしゃさんのおたより 発行日 H14.10.1
親知らず(智歯)
「親知らず」がなぜそう呼ばれるようになったのか、ご存知でしょうか?本当は智歯というのですが、智歯の生える時期は早い人で14歳頃、遅い人では20歳頃、つまり、このように成長してしまって親が知らない頃になって生えてくるので「親知らず」と呼ばれているのです。親知らずは誰にでも生えるというわけではありません。全部生えそろえば上下左右1本ずつなので合計四本になりますが、全部生えそろわず3本や2本しか生えない人もいます。中には1本も生えない人もいます。このような人は歯のもとが顎の骨の中にぜんぜんできていないか、あるいは歯のもとは顎の中にできていても口の中に生えてこない場合もあり、正常に機能しているのは20%以下だといわれています。<親知らずの生え方>・正常に生えている状態で上下がきちんと噛み合っている ・下の歯は当初、正常に生えていたが上の歯がうまく生えなかったりまたはもともと欠損して歯がなかったりすると、その歯が他の歯より出すぎてしまいます。このような状態になると、顎の関節に負担がかかったり頬や歯肉を傷つけるようになります。 ・親知らずが途中まで萌出してきて前の歯にあたって完全に生えることができない状態。このような場合はこの部分に食べかすがたまり易く、歯肉が腫れたり虫歯になりやすくなります。 ・水平埋伏歯といわれる状態、水平に顎の骨の中に埋まっています。第二大臼歯の歯根が吸収されたり歯並びを悪くしたりします。 ・顎の骨の中にもぐったままで口の中に生えてこない場合もあります。※あごの骨の中に歯のもとがまったくない場合もあります。 親知らずも他の臼歯と同じ様に食べ物を噛み、細かくすりつぶすときに役に立ちます。ただしそれは、上下の親知らずがきちんと噛みあっている場合で噛む相手の歯がなかったり横になって生えているような場合や、半分顎の中にもぐっているような場合には噛むという働きはしていません。それどころか汚れがたまりやすく、顎が腫れる(智歯周囲炎)の原因となってしまいます。心配な方は一度ご相談ください。