はいしゃさんのおたより 発行日 H9.8.1
矯正装置の説明U
先月号で部分的矯正装置を説明しました。今月号は、出っ歯や受け口、でこぼこした歯並びや、咬みあわせを、
全体的に矯正装置を使い、時間をかけてゆっくり歯を動かす治療法を説明します。
なぜ、矯正治療が必要なのか?・・・上顎前突(出っ歯)下顎前突(受け口)やでこぼこした歯並びは食物が噛み切れ
なかったり正しい発音をすることができません。そのため体全身の健康な成長を発育精神面にも大きな影響を及ぼします。
また、虫歯や歯槽膿漏の原因にもなります。審美的だけではなく、一番大切なのは、機能的なかみ合わせの改善が第一の目標です。
全体的矯正を始めるにあたって・・・全体的な矯正は、まず第一大臼歯(6歳臼歯)にバンドを装着します。
その後ブラケットを直接歯につけます。ブラケットの溝にワイヤー(細い針金)を通しバンドに結びつけごく弱い力でひっぱり時間をかけて歯を動かします。
ブラケット・・・ワイヤーを通す小さな器具
種類・・・金属・・・多少目立ちますが適度な硬さがあり頑丈です。
     プラスチック・・・審美性に優れているが着色しやすく壊れやすいのが欠点です
     セラミック・・・審美製に優れていて硬さもあるが壊れやすいのが欠点です
ブラケットの周りは汚れが停滞しやすくむし歯や歯肉炎が起こりやすくなります。そのため徹底したブラッシングでいつも清潔に
保つよう心がけなければなりません。せっかく歯並びがきれいになっても歯がぼろぼろでは何にもなりません。
全くスペースのない場合やスペースのできる見込みのない場合には隙間を作るために抜歯をすることもあります。
又必要に応じて矯正用の小さな輪ゴム(エラスティクゴム)を使うことによってスペースを確保しよりよい咬みあわせを作ったりします。
美しい歯並びを持続させるために・・・長かった治療も終わり矯正装置をはずしたばかりの歯並びはパーフェクトの状態です。しかし装置を
外した瞬間から歯はもとの状態に戻ろうとします。そのため歯並び咬み合わせが安定するまでの1〜2年間は保定装置(リテーナー)を付けたほうが後戻りはありません。